
「一生幸福でいたかったら、釣りを覚えなさい」。
釣り人が好んで口にする中国の古いことわざですが、
北欧の人々にとっても釣りはヒュッゲな楽しみのようです。
サマーハウスは湖などの水辺に建てられることがほとんど。
シンプルでプリミティブに過ごす北欧の夏休みに、
自然を相手にする釣りはとてもよく似合います。
私が好きな釣りスタイルは
湖でのどかに釣り糸を垂らすより、ちょっとアクティブ。
山奥の渓流に出かけて行き、川づたいにどんどん遡ります。
魚がいそうなポイントにエイヤっと毛鉤を流し、
反応がなかったら落胆し、うまいこと掛かったら狂喜する。
なんてことを繰り返していると
あっという間に時間が経ちます。
短い夏の間だけの濃密な野遊び。

6月の晴れた日曜日、仲間うちで
オショロコマの楽園と呼んでいる川へ。
深い渓谷めいた景が続く
お気に入りの渓流で毎年必ず訪れます。
オショロコマは日本では北海道にしかいない川魚。
オレンジ色の斑点が美しく、渓流の宝石といわれることも。
水温の高いところや汚れたところが苦手で、
生きている環境が森の豊かさを表しています。
そして人に対する警戒心がまったくありません。
無邪気にパクっと食いついてくるオショロコマたち。
キミたちに野生の本能はないのと半分あきれながら、
北海道育ちらしいおおらかな性格がほほえましいのです。

