
可愛いものや甘いものがあまり得意でない私が一目惚れ。
ころんとした卵の中に入ったヒヨコは、
その名も「たまごヒヨコ」。
穴の中から顔を出したり、ゆらゆら揺れたり、
なんとも楽しく見飽きません。
手のひらですっぽり包める感触も気持ち良く、
仕事場の机に置いて疲れた時は
スリスリするようになりました。
同じようにハトが入った「たまごハト」もあります。
作者は、北海道東川町に工房を構えた太田久幸氏。
旭川クラフトの先駆けとして
1970年代から活躍し、2002年に逝去するまで
独創的な作品を次々と生み出しました。
もともとは旋盤で家具の部品を作る木地師でしたが、
そこで磨いた神業的な腕で
娘のために作ったのが木の動物たち。
1978年に全国から優れたクラフトを発掘し選定する
「クラフト・センター・ジャパン」で入選し、
一躍クラフト作家として名を馳せました。
1986年には西ドイツのシュトガルト・デザインセンターの
選定品になり、世界ブランドの仲間入りも果たしています。
残された作品は、東川町にあるギャラリー、
コタン・クル・カムイで見ることができます。
オーナーである藤田祥氏もクラフト作家で、
太田久幸作品の一番の信者だったと言います。
私がギャラリーを訪ねた時は、
藤田氏の奥様が相手をしてくださいました。
写真撮影は禁止でしたが、作品から仕事ぶりまで
様々なエピソードを教えてくれて
時間が立つのも忘れてしまいます。
最後に私がたまごヒヨコを購入すると
「人の手のあぶらでいい色になるわよ」と
優しく言われました。
それから毎日、楽しみになでています。
コタン・クル・カムイ
営業時間・定休日/不定
住所/東川町東町3丁目1-18
▼太田久幸の足跡を辿る一冊
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